平成26年、母親から古屋を相続したことをきっかけに、私の不動産賃貸業が始まりました。 当時は成年後見人として母の財産を管理していましたが、「現物で資産を残す方が良い」という判断から賃貸経営を選択しました 。
10年以上運用して分かった、相続不動産活用のリアルなメリットとデメリットをまとめます。
1.不動産相続から賃貸経営へ
当時、一人暮らしだった母が認知症を患ったため、私が成年後見人となり管理を引き継ぎました 。 母には遺族年金があり金銭的な不安が少なかったため、売却せず「不動産賃貸」という形で資産を残す道を選びました 。
不動産活用のメリット
- インカムゲインとキャピタルゲインの両取り: 毎月の家賃収入と、将来的な売却益の両方が期待できます 。
- 初期費用の低さ: 相続した物件のため、ゼロから投資物件を購入するよりも入り口のハードルが低いのが魅力です 。
- 相続税対策: 結果として、現物不動産で所有し続けたことは、後の相続税において大きな助けとなりました 。
2.直面した不動産賃貸業の「影(デメリット)」
いざ始めてみると、不動産投資特有の苦労やリスクも多く経験しました 。
- 入居者リスク: 家賃の踏み倒しや、退去を拒否して居座るケースなど、お客さん次第で経営が左右されます 。
- 修繕義務の負担: 特に古民家の場合、生活に支障が出る不備があれば家主に修繕義務があり、費用がいくらかかるか予測がつきません 。
- 退去トラブルの長期化: 退去に合意しても半年〜1年かかることは珍しくありません。貸主から立ち退きをお願いする際は、引越し費用や数ヶ月分の家賃を請求されることもあります 。
3.管理会社を通すメリット・デメリット
遠方に住んでいることもあり管理会社を利用しましたが、ここでも一長一短がありました 。
| 項目 | メリット | デメリット |
| 家賃保証 | 不払い時に数ヶ月分を保証してくれるため、リスクヘッジになる 。 | (保証がない場合は当事者間交渉となり負担大) |
| 対応面 | 入居者の審査(フルイ)を任せられる 。 | 借主からの請求が交渉なしに丸投げされる。遠方だと現場確認ができず、言いなりになるリスクがある 。 |
4.【教訓】定期借家契約の難しさ
貸主の権利を守るためには「定期借家契約」が有効だと言われますが、実務としては非常に難解でした 。
- 書面の複雑さ: 通常の賃貸契約書とは別に書面を交わす必要があります 。
- 素人判断の限界: 契約書を見ても、どの文言が定期借家を担保しているのか判別がつかず、結局うやむやになってしまいました 。
教訓: 契約関係は、本当に信頼できる不動産会社に依頼し、内容を徹底的に確認することが不可欠です 。
まとめ
不動産賃貸業は一長一短ありますが、相続した資産を守り、活用する手段としては非常に有効でした。
これから相続不動産の活用を考えている方は、目先の収益だけでなく、修繕リスクや契約形態についても事前に対策を練っておくことを強くお勧めします。
